損害賠償の責任 (身近なケースから)

不法行為とは?

ここでは、身近に起こりそうな2つのケースを取り上げ、その責任について述べたいと思います。

 

交通事故を起こした運転者は、不法行為をした者として、責任を負うことになります。

 

しかし、運転をしなくても、うっかりしていると、この不法行為に加担、あるいは不法行為をしてしまうことがあります。

飲酒をすすめたAさんのケース

友人が久しぶりに自宅に訪ねてきたのでうれしくなり、一緒に飲もうと友人を誘い、自宅にあったビールや日本酒をすすめ、2人で飲みました。酔ったまま友人は車を運転して帰宅し、その途中で人身事故を起こしてしまいました。

 

飲酒運転をして事故を起こした友人は、当然不法行為者として罰せられ、その賠償責任を負うことになります。

 

では、酒をすすめたAさんの責任はどうでしょうか?

 

酒をすすめたAさんも共同不法行為者として責任を問われることになります。つまり、自分が直接事故を起こしていなくても、一緒に飲酒した、また飲酒をすすめた者として、飲酒運転をそそのかしたと見なされるのです。飲んだ酒の量やはしご酒をしたかどうか、友人が運転するのを止めたかどうかなどを調べられ、すすめたAさんの責任が判断されることになります。

 

これと似たようなものに、外で飲んだケースがあります。

 

同僚を誘って一緒に酒を飲み、自分はタクシーで帰宅したが、同僚は車を運転して帰り、死亡事故を起こしてしまったというものです。

 

同僚が車を運転して帰るのを知っていながら酒をすすめた、さらにもっとひどい場合、その車に同乗したなどの行為をすると、やはり前述のケースと同じく、運転者と共同で責任を負うことになります。


(路上駐車)

最近、路上駐車中の車に、走ってきた車が衝突して運転者が死亡するという事故が増えています。駐停車にはいろいろなケースがあり、駐車の許可されている路上での駐車なら原則、駐車中の車には過失はないと言えるでしょう。

 

駐車禁止の場所や道路の真ん中への駐車は言うまでもなく、駐車禁止場所でなくても道路が狭い、見通しの悪いカーブなどに車を駐車することは事故の危険性・可能性が高く、駐車と事故の因果関係があるもの、事故を誘発したものとして、駐車している運転者や車の保有者に損害賠償の請求ができるとされています。

 

難しいケースとして、違法駐車していても、道路が広く、比較的見通しのいい場所で、少し注意すれば車を発見でき、事故を避けられたと思われる場所への駐車は、事故との因果関係がないと判断され、駐車違反に問われても、事故の損害賠償責任までは問われないということもあります。

 

たいしたことではないという軽い気持ちから起こしてしまう事故もあります。
事故を起こしてしまった人はもちろん、周囲の人も事故で人生が一変する場合が多々あります。ハンドルを握る人はもちろん、周りの家族・友人・同僚なども他人事ではありません。加害者にならないように、心をひきしめましょう。

 

交通事故は同じように見えるケースでも、ひとつひとつに違った面があります。
交通事故はひとつひとつの事故の特徴をとらえ、判断しながら解決していくということになります。ですから、ここで述べた結果がすべてではありません。事故によって、いろいろな判断がくだされることをご理解いただきたいと思います。