過失相殺とは

.過失相殺とは??

過失相殺は、事故の発生について被害者にも原因(過失)があるとき、その割合に従い、賠償金から減額することです。

 

発生した損害をすべて加害者側に負わせるのは酷です。被害者側の過失の分を、損害額から減額(相殺)するのが公平だという考えから「過失相殺」がなされるのです。

【例】相手がよっぱらい。禁止道路横断

例えば、こういうケースの場合などです。

 

夜間、約束の時間に遅れそうで急いでいたところ、道路を横断していた人をはねて死亡させてしまいました。相手の人は酒に酔い、歩行者横断禁止の幹線道路を横断していました。

 

賠償金請求の際に、過失割合の判定は重要になります。

 

例えば、被害者に全くの過失がなければ3000万円の賠償金が支払われるという場合、被害者側にも30%の過失があったと認められるときには、900万円が差し引かれ、2100万円しか受け取れないことになります。

 

このように、過失相殺は、治療費だけなどと項目別に限定して行われるのではなく、総損害について行われます。そのため、長期の治療で多額の医療費がかかったにもかかわらず、休業補償の少ない人は過失相殺により、医療費の全額が受け取れないという場合もあります。

 

死亡事故など、賠償金が大きければ大きいほど、過失割合が大きく影響します。

 

先にあげた歩行者横断禁止の幹線道路を酒に酔って横断し、死亡したケースなどは50%ぐらい(すべてのケースがそうだとは言えませんが)が過失相殺されると言われています。 

 

示談交渉中に治療費・葬儀費用が少ないと言ってもめるという話をよく耳にしますが、その比ではありません。

【例】幼児のは飛び出し、親はおしゃべり。

物事の判断ができない幼児が被害者である場合もよくもめるケースの一つです。

 

制限速度で商店街を走行中、いきなり飛び出してきた2歳の男の子をはねてケガをさせてしまいました。男の子の母親は、近くのスーパーでママ友とおしゃべりに夢中で、男の子は母親が目を離したすきに道路に飛び出したようです。

 

こうした場合、おしゃべりに夢中でこどもを見ていなかった保護者の監督不行き届きを「被害者側の過失」と認め、過失相殺が行われることがあります。

 

ほかに、シートベルトやヘルメットの不着用などによって、それが死亡事故につながったというケースも多く、これも過失相殺の対象になります。

 

 過失相殺の基準は、いろいろなケースについて、被害者と加害者の過失割合の基準について定められていますが、あくまでも基準です。事故の発生にはさまざまなケースがあり、一律にこれを当てはめるということは難しいため、最終的には裁判所の判断に委ねる場合も多々あります。